総合理工学科
理工学部は、「自ら積極的に学ぼうとする意志を育てる体験学修」と「問題を発見し、解決できる実践力を身に付ける専門教育」を柱に、理学と工学の基礎的な素養を修得させる「学科共通科目」、専門領域の知識・技術を修得させる「コース科目」、そして学びの集大成としての「卒業研究」に区分して体系的に教育課程を編成する。
また、プロジェクト科目や実験・演習科目といった体験教育を重視し、コミュニケーション能力及びチームワークスキルを養う。更に、複数の概論科目および「専門プログラム」を設置し、コースの枠にとどまらずに、より幅広い学問領域にわたる知識を修得させ、活躍できる分野の選択肢を広げるための教育を行う。
学科共通科目は1年生から、コース科目は2年生から、卒業研究は3年生から配置している。1年生は所属コースにかかわらず、学科共通科目に基づく同一のカリキュラムとなっている。フレキシブル入学生には1年生での学びを踏まえて、2年生進級時に所属コースを選択させる。
1. 教育課程編成の考え方
「物理学コース」「化学・生命科学コース」「機械工学コース」「電気工学コース」の4つのコースを設け、人材養成の目的及びディプロマ・ポリシーを達成するために、学科科目を(1)学科共通科目、(2)コース科目、(3)卒業研究で編成する。更にコース科目を「コース基礎」、「コース応用」に区分し、体系的に教育課程を編成する。また、「他コース履修」の仕組みも提供する。
(1)学科共通科目
学科共通科目は、「理工学概論・実験実習」「数学・データサイエンス」「PBL/キャリアデザイン」で構成し、理学と工学の基礎的な素養を修得させる。
1年生には「理工学概論」「理工実験実習」「基礎代数学1」「基礎解析学1」を必修科目として配置する。「物理学概論」「化学概論」「生物学概論」「機械工学概論」「電気工学概論」といった複数の概論科目から2科目を必修とし、分野横断的な学びを具現化させる。更に「物理学基礎実験・化学基礎実験」のいずれか一方を必修とする。これらの科目を通して、数学的思考力の基礎をはじめ、各コースにおける実践的能力、実験を通じた専門分野の基礎を修得させる。「物理学概論・化学概論・生物学概論」および「物理学基礎実験・化学基礎実験・生物学基礎実験(3年生配当科目)」は理科教職基礎科目でもある。
2年生には「データサイエンス概論」「プロジェクトA」「プロジェクトB」を必修科目として配置し、次世代のSociety5.0(超スマート社会)で求められるデジタル革新に関する基礎、他者と協働した課題解決および価値創造能力、そして得られた知識を他者に伝えることが出来る表現力およびコミュニケーション能力を修得させる。
(2)コース科目
コース科目は2年生から配置し、各コースの学修に必要な知識を修得させる。必修科目は物理学コースで18単位、化学・生命科学コースで27単位、機械工学コースで26単位、電気工学コースで18単位となっている。
コース科目は「コース基礎」と「コース応用」で構成される。コース基礎は2年生において開講され、専門分野の内容を理解するために必要な基礎知識を習得するための科目であり、主に必修科目で構成される。コース応用は3年生および4年生において開講され、各コースの専門知識を修得するための科目である。
更に、2年生後期から3年生前期に配置した選択科目を対象に、学びの目的や親和性に応じて関連する科目をグループ化したものを「専門プログラム」と称して設定している。 専門プログラムの設定数は物理学コースで5つ、化学・生命科学コースで5つ、機械工学コースで3つ、電気工学コースで3つである。複数コースの科目から構成されている専門プログラムがあることに加え、他コースの専門プログラムも履修可能とすることで、学修者本位に基づいて、コースの枠にとらわれない柔軟な分野横断的履修を具現化させる。
電気工学コース
コース科目では、2年生と3年生前期に「電気電子実験」「情報通信実験」「電力電子実験」等の必修科目を配置し、実験を通じて電気工学を基礎から修得させる。また、実験を通じグループで問題を解決し、工学的な報告書作成能力を習得させる。また、2年生に「プログラミング基礎」「プログラミング応用」の推奨科目を配置しプログラミングによる論理的思考や問題解決能力を習得させる。
専門プログラムでは、エネルギー、制御工学、情報通信プログラムを設置し、各専門分野を深めるとともに、複数の専門プログラムを選択することによって、現代社会が求める先端技術や基盤技術の発展に貢献できるような知識と能力、技能を修得させる。また、電気電子、情報通信といった工学基盤技術を駆使し実用的な課題に取り組める人材を養成する。
(3)卒業研究
3年生後期に「ゼミナール」を、4年生に「卒業研究」(いずれも必修科目)を配置し、コースの専門性を深めさせるとともに、大学での学修の集大成として卒業研究を完成させる。所属研究室は、研究室ごとに定められた受入条件に基づいて、3年生後期の「ゼミナール」において志望・選択させる。
2.教育方法の考え方
(1)実践躬行
体験的な学修(アクティブ・ラーニング)を通して基礎的な知識や技術を実践的に身に付けながら、学生が主体的に課題を発見し、探求できるような学修環境を整える。これらを通して、科学的思考に基づき、論理的なコミュニケーションとプレゼンテーションができる能力を身につけさせる。
(2)体験的学修環境の整備
講義科目、実験・演習科目及び卒業研究を通して、学生自身が主体的に知識や技術を身に付け、積極的に研究課題に取り組める体験的な学修環境を整備する。
(3)幅広い専門分野を学ぶ環境の提供
「他コース履修」の枠組みによって、分野横断的な学びの機会を提供する。
(4)教育目標の達成度の検証による授業改善
授業の教育目標の達成度を授業期間内に課題提出等で確認し、授業改善に努める。
(5)カリキュラムの体系性の検証
それぞれの教育課程が体系化されているか、又それぞれが教育目標の達成に有効であるかについてカリキュラムマップ等を活用して検証する。
3.評価方法の考え方
(1)授業の最終的及び中間的到達目標の明示
授業の最終的な到達目標に向かう途中に課題提出を課し、それによって中間的到達目標を受講生に明示することで公正な成績評価の基準を示すことに努める。
(2)中間的到達目標のフィードバック
提出課題への振り返りにより受講生にフィードバックを行い、最終的な到達目標の達成を支援する。
(3)中間的到達目標の測定による成績評価
中間的到達目標に対応したレポートや試験によって、最終的な達成の度合いを総合的に判断し、より客観的な成績評価を行うことに努める。