博士前期課程
1.教育課程編成の考え方
心理学における幅広く高度な専門的知識と研究遂行に必要な資料収集・分析及び研究成果の発信能力、又、心理実践家に必要な心理臨床に関する専門的知識と技能を修得させるため、「研究科目」「実習科目」「論文指導科目」で構成する教育課程を提供する。
「研究科目」では、一般・基礎心理学分野と臨床心理学分野の各領域における研究の現状や課題を含む深い専門的知識を総合的に提供する科目を配置すると共に、心理学研究法やデータ解析法に関する専門的知識及び研究成果の発信能力を身に付けさせることを目的とした科目を配置する。
「実習科目」では、心理実践家としての高い倫理観と心理臨床に関する専門的知識・技能を修得させることを目的とした科目を配置する。
「論文指導科目」では、自らの研究課題の意義を理論的・社会的文脈に適切に位置付け、独創性あふれる研究を遂行し、修士論文作成へと発展的な学修が可能となる科目を配置する。
なお、博士前期課程では、公認心理師及び臨床心理士資格の受験資格を満たす教育課程を編成する。
2.教育方法の考え方
「研究科目」では、講義又は演習形式により授業を行う。心理学の各専門領域に関する高度な専門的知識及び心理学の研究法に基づく実証的な研究能力を修得させると共に、個々の領域の研究課題について各学生が主体的・能動的に検討する教育方法も積極的に取り入れる 。
「実習科目」では、実習形式により授業を行う。学内での事前指導を充分に行った上で、「保健医療」「福祉」「教育」「司法・犯罪」「産業・労働」の幅広い臨床領域における心理実践の方法を、各現場の実習指導者との緊密な連携のもと体験的に修得させる。
「論文指導科目」では、演習形式により授業を行う。学術的・社会的意義のある実証的な研究の遂行、修士論文を作成させるための研究指導を行う。
3.評価方法の考え方
シラバスで提示された科目の学修(到達)目標の達成度を試験又は課題により評価する。又、修士論文については、主査や副査を中心に論文内容の精査を行うと共に、修士論文発表会における研究成果のプレゼンテーションや質疑応答の適切さについても評価の対象とする。
博士後期課程
1.教育課程編成の考え方
心理学における高度な研究遂行能力と、研究成果を心理学界や社会に還元し、心理学の学問的発展や新しい社会の創造・成長を牽引することのできる俯瞰力と独創性を身に付けさせるため、「特殊研究科目」と「論文指導科目」によって構成する教育課程を提供する。
「特殊研究科目」では、一般・基礎心理学分野と臨床心理学分野の各領域における高度な専門的知識を修得させるための科目を配置する。又、投稿論文の執筆に必要なアカデミックライティング法や学会等での発表技能を身に付けさせることを目的とした科目を併せて配置する。
「論文指導科目」では、独創性、先進性、発展性に優れ、学術的かつ社会的意義を持つ博士論文研究を実施するために不可欠な高度な研究遂行能力を身に付けさせることを目的とした科目を配置する。
2.教育方法の考え方
「特殊研究科目」では、主として講義形式ではあるものの、演習形式に近い形態で授業を行う。本科目では、教員と学生が異なる専門性をもつ研究者同士という対等な立場に立った上で、心理学の各専門領域の今日的・発展的課題について互いに議論を交わすことにより、当該領域に関する先進的かつ高度な専門的知識を修得させる。
「論文指導科目」では、演習形式により授業を行う。博士論文の執筆や、自立した研究者として心理学界や社会に貢献できる心理学研究を実施するために不可欠な、高度な研究遂行能力を修得させるための研究指導を行う。
3.評価方法の考え方
シラバスで提示された科目の学修(到達)目標の達成度を試験又は課題により評価する。又、博士論文については、博士の学位申請資格について心理学研究科心理学専攻の基準を基に予備審査を行った上、提出された学位請求論文の内容の妥当性や学術的・社会的意義について主査と2人以上の副査により審査する。併せて、公聴会における研究成果のプレゼンテーションや質疑応答の適切さについても評価の対象とする。