グローバル化が進み、総合的な英語力が求められる現在。「読む」「書く」「聞く」「話す」力はもちろんですが、世界中の異なる文化を理解する力の必要性も増しています。教科専門(英語)コースでは、母語文化によって形成された自我を大切にしながら、英語を通して異なる文化の人々に意思や感情を伝えられる小学校教師、中学校・高等学校の英語教師を育成します。
英語コースでは、将来の英語教育者を育成するために、実践的かつ総合的なカリキュラムを提供しています。例えば以下のような科目を通じて、英語力と教育スキルを磨きます。
小学校での外国語活動・外国語の指導に必要な知識と技能を学びます。実践的な内容を中心に、基本的な発音、語彙、英語表現、クラスルーム・イングリッシュなどを取り上げます。
- 小学校英語教育に必要な知識の理解と習得
- 英語運用力・指導技術の実践
- 小学校免許取得のための選択科目としての位置づけ
英語コミュニケーション1〜4は、以下のような大きな流れと関連性を持っています。
- 英語コミュニケーション1:英語でのディスカッション、ディベートを行う上での基礎となるロジックの組み立て方を学び、英語でスピーチを行う力(立論力)を育成します。これは2〜4の基盤となります。
- 英語コミュニケーション2:プレゼンテーション能力を向上させるとともに、多様性を受け入れる力を磨きます。これはディスカッション、ディベートを行うための姿勢や思考法(コミュニケーション態度)をさらに発展させるものです。
- 英語コミュニケーション3:リスニング力や推測力を磨くことで、効果的な質問や反論を行うための技能(質問力・反論力)を学びます。これは4技能を総合的に強化するステップです。
- 英語コミュニケーション4:これまでに培った力を総動員して、ディスカッションやディベート実践を行いながら、4技能5領域の英語力を総合的に育成します。これは英語コミュニケーション1〜3で培ったスキルを集大成するものです。
以上のように、英語コミュニケーション1〜4は段階的に英語力とコミュニケーション態度を育成し、最終的に論理的・批判的思考力と4技能5領域の英語力を高いレベルで統合することを目指しています。科目間の関連性を理解し、体系的に学習を進めることが重要です。
文学作品を通じて、語彙、文体、表現技法を学びます。テクストの背景にある歴史的・文化的側面も考察し、ディスカッションを通じて理解を深めます。
中高英語教員として必要な教科教育知識と指導技能を身につけます。模擬授業や指導案作成を通じて、理論と実践を統合し、創意工夫を凝らした授業づくりを学びます。
21世紀型スキルの一つとも言われる批判的思考力(Critical Thinking: CT)を大事にして、ゼミ生各自の関心に従って、「CTを育成する(英語)教育」を考えてもらいたいと思っています。特に校種(小中高)や希望進路先の指定はしていませんが、模擬授業と省察、実際の授業見学や現職教員とのディスカッション、また、教材作成など幅広い実践を通して、これからの英語教育をともに考えていきたいと考えています。
「英語の学習者を育てるために大切なことは?」を起点に、それぞれが関心を持ったテーマを探索的に研究することをサポートします。本ゼミでは、異なる関心や視点を持つ仲間とディスカッションを行い、共に学びながら、「学習者中心の指導法」を探求していきます。
また、多様な言語教育実践への参観、多文化共生、国際交流をテーマとした活動に参加し、フィールドワークを通じて学びを深める機会を提供します。世界とつながるための「言葉のちから」について、改めて考える場となることを目指しています。
第二言語習得論と様々な教育実践とのつながりを、主体的に学び、助け合いながら成長する「場」を作っていきたいと考えています。