人文学部人間社会学科では、地域に足を運び、人との対話や調査を通して社会について学ぶフィールドワークに数多く取り組んでいます。
その実践の一つとして、2026年9月7日、「フィールドワーク実習」で宮崎県宮崎市の平和台公園を訪れ、現地調査を行いました。
学生たちは、長年活動を続けてきた平和ガイドの方々から話を聞き、「平和の塔」をはじめとする戦跡を見学。実際にその場所に立ち、地域の方々と対話することを通して、戦争の記憶をどのように継承し、平和についてどのように伝えていくのかを考えました。
当日の様子- 平和台公園の歴史的背景に触れる
今回のフィールドワークには、人間社会学科の高部優子教授、熊本博之教授と3年生5名が参加。高部教授が担当する「フィールドワーク実習」の一環として、宮崎国際大学と合同で実施され、現地では同大学の留学生とともに活動しました。異なる背景を持つ学生と行動をともにすることで、一つの場所や歴史についても、立場によって異なる見方や捉え方があることに触れる機会となりました。
「フィールドワーク実習」では、実際に地域を訪れるだけでなく、事前に文献調査や調査対象地のリサーチを行い、調査企画を立てたうえで現地での聞き取りや調査に臨みます。さらに、現地で得た情報を整理・分析し、発表や報告書の作成へとつなげていきます。今回の宮崎での調査も、こうした一連の学びの中に位置づけられています。
市民の憩いの場として知られる宮崎市の平和台公園には、宮崎県を代表する歴史・文化資源の一つである「平和の塔」があります。戦前に建設されたこの塔には、国威発揚のスローガンであり、「世界を一つの家のようにする」という意味をもつ「八紘一宇」の文字が刻まれています。こうした歴史的背景を来園者が理解できる展示・解説施設は設置されておらず、近年は海外からの訪問者も増えるなか、多様な来園者が学び、理解を深められる環境づくりが課題の一つとなっています。
現地を訪れた学生からは、「平和の塔は戦争の歴史を多面的に考えることのできる貴重な場所だからこそ、大規模なミュージアムのような施設でなくても、少なくとも看板一枚でも歴史的背景を説明するものがあってほしい」といった声も聞かれました。
多くの人との出会いが育んだ学び- 高部優子教授コメント
今回の実習について、高部先生は次のように振り返ります。
「今回の実習では、宮崎の方々に温かく迎えていただき、学生たちは『平和の塔』をはじめとする戦跡を案内していただきました。
『平和の塔』では、建立の経緯や石材の来歴といった事実だけでなく、その場所に関わってこられた方々の思いも伺うことができ、現地に足を運ばなければ得られない学びとなりました。
また、宮崎国際大学の留学生と行動をともにしたことで、一つの場所であっても立場によって異なる見方や捉え方があることにも気づけたと思います。
何より、はじめは発言に遠慮があった学生たちが、三日間で見違えるように自分から質問し、考えを口にするようになりました。多くの方と出会い、対話を重ねるなかで、力が育っていったように思います。」
メディアからも注目- NHKや新聞各社でも紹介
今回のフィールドワークの様子は、NHKや新聞各社でも取り上げられ、地域の歴史や文化資源をめぐる取り組みとして注目を集めました。
関連リンク:宮崎日日新聞掲載記事/2026年9月8日(報道メディアに見るMIU/宮崎国際大学公式ウェブサイトより)