本学体育会男子籠球部(バスケットボール部)と多摩都市モノレール株式会社の共催による「多摩モノレールカップ2026」が、2026年4月2日(木)から12日(日)にかけて行われました。3回目を迎えた本大会には、多摩モノレール沿線の小学生から大学生まで、世代を超えた約30チームが参加。4月11日、12日には明星大学日野キャンパス体育館でメインゲームが行われ、バスケットボールを通じた交流の場が広がりました。
目的・背景 — バスケットボールを通じて広がる、地域と世代のつながり
本大会は、多摩モノレール沿線に立地する学校やチーム同士の交流を通じて、地域のつながりを深めることを目的とした取り組みです。明星大学体育会男子籠球部がこれまで継続してきた地域交流の取り組みに、多摩都市モノレール株式会社が賛同したことをきっかけに実現したもので、回を重ねるごとに、地域と世代をつなぐ大会として定着しています。
最終日の様子 — 世代を越えた熱戦と会場に広がる交流
各カテゴリーで熱戦 — 大学男子の部では本学が優勝
4月12日(日)には明星大学体育館で、前日に行われた試合を勝ち上がったチームによる、ミニバスケットボール、中学校、高校、大学の各カテゴリーの決勝戦が行われ、多くの来場者を迎え、盛況のうちに閉幕しました。各カテゴリーで熱戦が繰り広げられました。
「多摩モノレール同駅対決」となった男子の部では、本学が中央大学と対戦し、第4クオーターで一気に逆転、73-68の接戦を制して優勝を果たしました。4月29日に初戦を迎える第75回関東大学バスケットボール選手権大会に向けて、大きな弾みとなる結果となりました。
会場では、ミニバスケットボールや中学生の選手たちが、大学トップレベルの試合を間近で観戦し、迫力あるプレーに歓声や驚きの声をあげる様子も見られました。
規模感が広がる大会 — 会場の賑わいと運営の工夫
会場外にはストリートバスケットゴールが設置され、来場者が自由にプレーを楽しむ姿が見られました。
さらに、モルック体験コーナーも設けられました。複数カテゴリーで試合が行われる本大会では、どうしても待ち時間が生じる場面がありますが、そうした時間も来場者に楽しんでもらおうとする運営側の工夫によるものです。場所を選ばず誰でも気軽に参加できる競技であることから、コミュニケーションが生まれやすく、本学男子籠球部の運営における定番の取り組みとして、会場の賑わいづくりにもつながっていました。
また、体育館内には企業によるバナー掲出や出店ブースが並び、大会の広がりと規模感を感じさせる光景が広がっていました。協賛企業による栄養講習会も実施され、小・中学生や保護者からは「参考になった」といった声も寄せられました。
さらに、当日は学食の臨時営業も行われ、来場者の楽しみの一つとなっていました。学食を目当てに訪れた小・中学生の姿も見られ、「また来たい」といった声も聞かれるなど、大会が競技だけでなく、キャンパスでの体験そのものとして受け入れられている様子がうかがえました。
3回目を迎えた本大会では、競技面に加え、運営面での取り組みも大会としての価値を一層高めていました。
スポーツビジネスを実践で学ぶ — 飯島ゼミの取り組み
本大会では、経営学部経営学科 飯島智則特任教授のゼミナールがプロモーション活動に参画しました。スポーツビジネスを学ぶ学生たちが、企画・広報の面から大会運営に関わる実践的な取り組みです。
事前にはラジオ番組での告知やチラシ制作を行い、地域への周知と来場促進に取り組みました。また、当日には出場選手のトレーディングカードを制作・配布し、子どもたちが大学生選手にサインを求める姿も見られるなど、会場に新たな交流を生み出していました。
“支える側”として見えたもの — 学びと視点の変化
当日、会場内で運営にあたっていた飯島ゼミの福岡雅也さん、丸岡紗千さん、山上亜紗実さん(いずれも経営学部4年)に話を伺いました。
皆が口を揃えたのは、「自分たちの取り組みが、どこまで集客につながっていたのか分からない」という点でした。思うような手応えが見えないからこそ、集客の難しさをリアルに捉えるきっかけにもなっていました。
これまでスポーツイベントを“お客さん”として楽しむ立場だった学生たちにとって、「どうすれば人が集まるのか」という視点で物事を見ること自体が初めての経験でした。思うようにチラシを手に取ってもらえないなど、現場での難しさを実感していきました。
そうした経験を通して、スポーツビジネスを“実感値”として体験できたこと自体が、今回の取り組みにおける大きな成果だったといえます。
昨年度に着任した飯島智則特任教授のもとでスタートしたゼミにとって、本大会は初めての本格的な取り組みとなりました。新聞風チラシやトレーディングカードの制作、学内外での配布、ラジオ企画など、多様な施策への挑戦でした。
今回の活動について、ゼミ長の福岡さんは「新聞風のチラシを学内外の色々な場所で配ったりしたんですけど、手に取ってもらえなくて…。やってみて難しさを感じました」と振り返ります。
実際に現場で取り組んでみたことで、集客の成果をどう捉えるかという視点も生まれていました。丸岡さんも「チラシが実際に集客につながったのか、そこは気になった」と話し、取り組みの結果をどう評価するかという意識が芽生えている様子がうかがえます。
一方で、制作面でも試行錯誤がありました。トレーディングカードのデザインを担当した丸岡さんは、インターンシップでデザイン制作の経験がありながらも、「今回は“集客につながる制作物”として考える必要があり、単に見た目を整えるだけでは難しかった」と振り返ります。実際、レイアウトや情報の見せ方を複数パターン試しながら検討を重ね、来場者の目に留まる形を模索していきました。
また当日も、配布の様子を見ながら急遽ポップを制作するなど、その場の状況に応じて訴求方法を調整していきました。さらに、チラシを見た人がその場で大会情報やSNSにアクセスできるようQRコードを配置するなど、関心を行動につなげる導線設計にも取り組みました。単に“作る”だけでなく、“どう見せるか”“どう伝えるか”まで含めた対応が求められていました。
interfmで明星大学経営学部が企画・運営を行っているラジオ番組での告知企画を担当した山上さんは、「ゼミのコンセプトに合わせてモノレールカップをどう伝えるか、内容や文章を考えるのが難しかった」と話します。スポーツイベントとしての魅力に加え、地域とのつながりや大会の背景も含めて伝える必要があり、限られた時間の中で情報をどう整理し、どう届けるかに苦心しました。
また、多摩都市モノレール株式会社の奥山宏二代表取締役社長へのインタビューにも挑戦し、インタビューにも挑戦した福岡さんは「何を聞けばいいのか分からなくなってしまい、とても緊張した」と振り返ります。外部の方と関わりながら発信を行う経験は、これまでにない学びとなっていました。
こうした取り組みを通じて、学生たちは“観る側”とは異なる視点にも気づいていきます。これまでスポーツイベントを楽しむ立場だった中で、「人を呼ぶために何を考え、どう工夫するのか」という裏側への理解が深まっていきました。
山上さんは「スポーツは観るだけだったけど、集客や宣伝を考えるようになって、裏側にいろんな人の工夫があると気づいた」と話し、視点の変化を実感しています。
また、丸岡さんは「チラシを見た人が次にどう行動するかを考えるようになった」と語り、制作物を“届ける”ことの意味を意識するようになったといいます。
今回の取り組みを通じて、「どうすれば人が集まるのか」という視点が、それぞれの中に確かに生まれ、実践を通じた学びとして確かな手応えにつながっていました。
明星大学男子籠球部の遠藤 粋主将(経済学部経済学科4年/つくば秀英)と、第1回から運営面で学生と共に中心的役割を担ってきた中村佳央顧問(明星大学 就職センター主任)に話を伺いました。
遠藤主将は、本大会が盛況のうちに終了したことについて、「多摩都市モノレール株式会社をはじめ、スポンサー企業や地域の皆さまのご協力があって開催できたものだと感じています」と感謝を述べます。そのうえで、「年々大会の盛り上がりを感じており、地域に根ざした恒例のイベントになりつつあると実感しています」と語りました。
また、「バスケットが上手いだけではだめ」という意識を持ち、競技だけでなく、バスケットボールを通じて大学や地域を盛り上げていくことも大切にしているといいます。
チームとしては、「全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)出場と関東1部リーグ昇格を目標に掲げています」とし、「その目標に向けて日々の練習に取り組んでいきたい」と今後への意気込みを語りました。
一方、中村顧問は「今年で3回目を迎え、回を重ねるごとに参加チームだけでなく、関わる人や来場者も増えてきています。バスケットボールを通して、さまざまなつながりが生まれている大会になっていると感じています」と振り返ります。
さらに、「こうした場があることで、バスケットを通じてつながっていると実感できることが一番の喜び」と語り、大会の意義を強調しました。
「自分の出身チームが出場するので早めに応援に来た」「後輩の試合があるから残って応援します」といった声も多く寄せられています。加えて、「昨年は1つ下のカテゴリで参加していた選手が、今年はカテゴリを上げて出場している姿も見られ、沿線の広がりとつながりを実感しています」と話し、継続開催による成長の循環にも手応えを示しました。
今後については、「この大会を一つのプラットフォームとして、地域の企業や自治体にも関わってもらいながらコミュニティを広げていきたい」と展望を語り、「子どもたちがバスケットを頑張ろうと思えるきっかけになれば」と、多世代に広がるイベントとしての発展にも期待を寄せました。
大学男子決勝を中心に、ショートムービー(リール)を、明星大学公式Instagramで公開しています。ぜひ以下の画像リンクよりご覧ください。