多摩市立中央図書館の階段スペースで、建築学部・高橋彰子教授と栃内秋彦准教授の研究室による合同ワークショップ作品「コロコロハニカム」が展示されています。六角形ピースを反復して組み上げた立体ユニットが連なり、図書館の空間に柔らかなリズムと、新しい“風景”をつくり出しています。
展示について
- 展示期間:2026年1月26日〜2月12日
- 展示場所:多摩市立図書館 ステッププラザ(多摩市落合2-35)
同じ形の反復が生み出す立体構造
本作品は六角形(ハニカム)形状のピースを繰り返し組み合わせることで構成されています。ピースを丸めて球状ユニットにし、それらを連結することで、階段空間に沿って立体的な連なりが生まれます。
この発想は、1年生の必修科目「造形デザイン実習」で学ぶ「反復による造形」を基礎に、3年次の学びとして“現物大スケールの造形”へと発展させたものです。
建築学部で建築設計や住環境デザインを専門とする高橋教授と栃内准教授。両研究室が協働する今回の展示は、昨年度に学内に展示した作品を多摩市立図書館関係者の方が目にしたことをきっかけに、公共空間での展示に向けた取り組みとして実現しました。
今回の展示が生まれるまで — その過程と見どころ
今回の展示がかたちになるまでには、作品を階段という独特の空間にどう置くかを考えながら、少しずつ調整を重ねていく時間が続きました。
高橋教授は、作品と空間、そして人の動きがどのように関わり合うかを考える中で、「立体が連なり、そのまわりを人が行き交うことで“ひとつの風景”が立ち上がる」というイメージを大切にしてきたと話します。その風景が自然に生まれるよう、見え方や配置を何度も確かめていったそうです。
制作や設営の過程では、思わぬ調整が必要になる場面も少なくありませんでした。栃内准教授は、「直前に想定外のことが起きたり、調整が必要になる場面も多かった」と振り返りながら、そうした過程こそ学生と共に展示をつくり上げていく醍醐味でもあると話しています。
さらに今回は図書館という公共の場での展示となるため、ユニットに触れたときの安全性や角の処理、構造の安定など、学内展示とは異なる視点での確認が欠かせませんでした。来館者が自由に行き交う空間特有の条件を踏まえながら、一つずつ調整を積み重ねていったといいます。
こうして準備が進められた展示では、六角形のユニットが階段に寄り添うように連なり、来館者の動きに応じて見え方が変わりながらも、空間の中には自然に溶け込んでいます。
元からそこにあったかのように — 現場で見えてきたこと
実際に現場を訪れてまず感じたのは、展示された空間全体がとても心地よく、洗練された場として成立していたことでした。多摩市立中央図書館そのものが落ち着いた雰囲気を持つ建物ですが、その空間の中に六角形のユニットが自然に溶け込み、もともとそこにあった風景のように馴染んでいました。
設置の場面にも立ち会いましたが、学生たちが完成した作品を前に見せていた表情には、達成感だけでなく、自分たちのつくったものを地域の方に見てもらえる喜びが滲んでいました。
作品のそばは実際に腰掛けられるので、階段で本を読むこともできます。写真だけでは伝わらない“空間としての心地よさ”を、きっとその場で感じてもらえるはずですので、ぜひ足を運んでみてください。