2025年12月19日、「MEISEI HUB企画イベント(第3期)」として、日野校28号館2階 MEISEI HUBイベントスペースにて、国際コミュニケーション学科・菊地滋夫ゼミ主催の「Africafe 2025」を開催しました。
Africafe(アフリカフェ)は、アフリカの思想や文化を手がかりに、多文化社会における他者との向き合い方を考える学生企画イベントです。今年は「Ubuntu(ウブントゥ)」——“あなたがいるから、わたしがいる”という考え方を軸に、多文化共生をテーマとしたトークショー、参加者同士の対話、音楽とダンスによるパフォーマンスが行われました。
当日は学外からも多くの来場があり、会場では、126個を用意したサモサやチャイ、手作りアクセサリーが完売し、プログラムの合間には終始、参加者同士の会話が行き交っていました。
なお、本イベントは、育星会からのご支援(※)により実施されている「MEISEI HUB企画イベント」の一環として、学内公募により採択された企画のひとつです。第3期では6件の企画が選定されており、「Africafe 2025」はその中で最初に開催されました。
異なる文化背景に寄り添うために
はじめに、菊池哲佳准教授と矢野デイビット氏による「多文化共生をめぐるトークショー」が行われました。
トークショーの冒頭では、「防災」や「被災地支援」を切り口に、両氏がこれまで関わってきた現場での経験をもとに話が展開されました。
菊池准教授は、東日本大震災での支援活動をはじめとする自身の取り組みに触れながら、多文化社会における防災の課題について言及しました。日本語学校で外国人学習者に災害時の行動を伝えた際のエピソードを紹介し、日本人にとっては当たり前とされている地震への対応も、文化や言語の背景が異なる人々にとっては、必ずしも同じように理解・共有されるとは限らないことが示されました。
災害時に、文化や言語の違いを越えて支援を届けるためには何が必要なのか。多様な背景をもつ人々が暮らす社会を前提に、防災を考える重要性が共有され、トークショーはその後のプログラムへとつながっていきました。
さらに当日は、海外で活躍する卒業生からのビデオメッセージも寄せられました。アブダビ在住の卒業生は「偏見にとらわれず相手をマナーや外見で判断しないこと」、そして「自らの文化を押し付けず、相手の文化に歩み寄る姿勢」の大切さを語っています。モザンビーク在住の卒業生からは、「違和感や疑問をそのままにせず、細やかな対話の機会を設けることが重要」との言葉が届けられ、異文化環境で戸惑いや葛藤を抱えながらも、対話を重ねることで周囲との理解を築いていった経験が共有されました。
これらのメッセージを受け、矢野氏は「多文化共生には心でつながるための対話が欠かせず、言葉にしなければ伝わらない」と述べています。海外では率直な言葉のやり取りが一般的で、相手もそれを嫌がることはないと補足し、互いに言葉を交わす意義を改めて考える時間となりました。
トークフォークダンス Time!
トークショーのあとは、参加者同士が交流する時間が設けられました。フォークダンスのように大きな輪になり、内側と外側に分かれた参加者が向かい合いながら、テーマに沿って会話を進めていく形式です。「最近あったちょっといいこと」や「もし三つ目の目をつけるならどこがいいか」といった、一見関係のないようにも思えるテーマでしたが、互いの人柄や価値観を自然に知るきっかけとなるものでした。会場には、落ち着いて言葉を交わす姿から楽しげな笑顔まで、多様な雰囲気が漂っていました。
会場に満ちる、リズムと躍動
続いて登場したのは、ガーナ出身のアーティスト、 ウィンチェスター・ニー・テテ・ボイ(Winchester Nii Tete Boye) 氏とダニエル・ニー・ボイ・ボイ(Daniel Nii Boi Boye) 氏によるパフォーマンス。お二人が用いたのは、アフリカの伝統的な8つの太鼓。音程が異なるそれぞれの太鼓を、手とスティックを用いて演奏します。体に響く力強いリズムが響き渡ると、参加者は釘付けになり、その独特なリズムに引き込まれていきました。
やがてダニエル氏が軽やかに踊り出すと、手にしていたダンス用の小道具を近くの参加者に手渡しました。受け取った参加者がそのまま踊り始め、続いてその小道具はまた別の参加者へと渡されていき、まるでバトンのようにリレーされるひと幕が生まれました。恥ずかしそうにしながらも、スティックを受け取った人たちは次々と笑顔で踊り、アフリカのリズムと熱気に満たされていきました。
やがてダニエル氏のレクチャーにあわせて全員がダンスに参加する展開となります。輪になって踊りはじめた参加者はみな笑顔で、この時間がもっとも盛り上がりを見せたシーンとなりました。そこには文化のちがいにとらわれることなく、共に楽しむ時間が生まれていました。
今回の「Africafe 2025」は、多文化への理解を深めるとともに、音楽や対話を通じて自分とは異なる背景をもつ人々と向き合う時間になりました。音楽、ダンス、対話を通して広がった生き生きとした表情は、イベントの余韻としていつまでも会場に残っていたように感じられます。
当日の様子は、明星大学公式Instagramで公開中ですので、ぜひご覧ください。
※育星会による支援について
明星大学育星会は、在籍する学生の保護者と本学との連携を保ち、相互の理解を深め、学生の教育支援、及び本学の教育事業の振興に寄与し、併せて会員相互の親睦を図ることを目的とした保護者の団体です。2025年度のMEISEI HUB企画イベントは、育星会より「学生生活活性化支援補助費」をいただき運営しております。