デザイン学部デザイン学科1年の太田充咲(おおた みさき)さんが、神奈川県主催「令和7年度 かながわ防災デザインコンテスト」において応募数65点の中から優秀賞を受賞し、2025年11月19日には神奈川県庁にて表彰式が行われました。
本コンテストは、防災意識向上を目的に、神奈川県内在住・通勤・通学者を対象に自由な発想で作品を募集したものです。今回のテーマは「地震への備え」。応募作品は審査員による審査および一般投票等を経て受賞作品が選出されました。太田さんの作品は、神奈川県民の防災意識向上のために、「地震防災チェックシート(こども編)」の表紙として活用されています。
防災を“広く”伝える
太田さんはこのコンテストのテーマである「地震への備え」から、「慣れすぎてしまい、危機感を忘れがちな地震対策をもう一度見直そう」と感じ、意識から遠のいてしまっていた地震への備えについて改めて考えました。
制作にあたり、まず地震への備えの現状を知るために防災バッグの所有率を調べたところ、半数以上の人が防災バッグを準備できていないという国の調査結果に着目しました。そこで、「防災用バッグの用意」に焦点を当て、ひらがなで「そなえよう。」というタイトルを中央に大きく配置。子どもから大人まで、幅広い世代へストレートに届く表現を意識して制作しました。
最優秀賞は「地震防災チェックシート(大人編)」、優秀賞は「同(こども編)」の表紙にそれぞれ採用されることとなり、太田さんの作品は優秀賞を受賞。子どもから大人まで伝わる表現を目指した制作意図が評価された結果といえます。
企画から表現へ—学びを実践につなぐデザイン
「大学に入学してから、制作に至るまでの過程や、制作意図の大切さを意識するようになりました。成果物よりも、その過程を大切にした作品づくりを心がけています」と太田さんは話します。
今回の受賞は、太田さんが大切にしてきた意識が、作品を通して伝わった結果といえるでしょう。防災バッグの所有率を調べることで現状の課題を把握し、そこから「防災用バッグの用意」というテーマを設定したプロセスは、単に作品が「きれい」や「かっこいい」といった、見た目の良さを追求するのではなく、「誰に、どのような場面で、何を伝えるのか」を軸に考える姿勢そのものです。
こうした考え方は、太田さん自身が魅力として教えてくれた、明星大学デザイン学部の「企画×表現」の学びを実践的に生かした成果です。
また、太田さんが今回の制作であわせて実感したのが、大学で身につけた技術面の成長です。中でも、Adobe Illustratorの基本操作を一から学んだことは、表現の幅を大きく広げるきっかけになりました。
「『コンピュータスキル』の授業が生きています。高校生の時は全く触れた事がなかったので、入学前の自分がこの作品を見たら、こんなポスターが作れるようになるんだと、きっとワクワクしたり驚いたりすると思います」と語ってくれました。
基礎的な技術を身につけたことで、頭の中にあるイメージを形にすることが可能になり、今回のように意図を持ったデザインを実践できるようになったといいます。
表現の幅を広げながら、自分の進む道を探す
今回の受賞は、太田さんにとって大きな自信につながりました。
「制作過程を大切にしている自分のデザインを認めていただいたように感じて、自分のやり方に自信がつきました」と振り返ります。
将来の目標は、まだ具体的には定まっていないものの、「人のためになるモノを作る仕事がしたい」という思いははっきりしています。
デザインだけでなく、美術にも関心があり、美術部にも所属。忙しい学業の合間を縫って、展示会に足を運び、作品の背景や意図を読み取ることを大切にしています。
「展示会やSNSで作品を見てインプットし、それを自分の制作でアウトプットする。その繰り返しを続けていきたいです」
大学で得た知識や技術を土台に、デザインと美術、両方の視点から表現の可能性を広げながら、自分らしい進路を模索していきます。