学生起業支援拠点「MEISEI CROSSING BASE」｜CROSSING DAY SUMMER開催レポート & DEMODAY開催決定

　学生の挑戦を後押しする起業支援拠点 MEISEI CROSSING BASE では、学びと実践を循環させる取り組みを進めています。その一環として、2025年9月にトークイベント 「CROSSING DAY 2025 SUMMER」 を開催しました。 イベントを通して生まれた気づきや対話は、その後の学生の行動や発想にも広がり、現在も活動の土壌として息づいています。

　そして2026年1月23日には、MEISEI CROSSING BASEが提供している各種の起業支援プログラムに参加した学生起業家たちの活動成果を紹介する「CROSSING DAY 2025 WINTER – DEMODAY」 の開催が決定しました。

　MEISEI CROSSING BASEの集大成にぜひご注目ください。

トークイベント「CROSSING DAY 2025 SUMMER」開催レポート

　2025年9月19日（金）にトークイベント「CROSSING DAY 2025 SUMMER」を開催しました。

　テーマは「自分らしい起業の育て方」。在学生や、多摩地域の企業関係者、他大学の教職員など、今回も会場およびオンラインで多くの方の参加がありました。　

　今回のメインプログラムは、学生たちに“自分らしい起業”を考えるヒントを届けるパネルディスカッション。 登壇者は、株式会社マルチプル代表の平藤 篤氏、ディップ株式会社 BIZOPS本部マネージャーの山根 弘成氏。モデレータは明星大学デザイン学部の萩原 修教授が務めました。

　冒頭、萩原教授は、「起業は特別な人だけのものではなく、誰にとっても身近な選択肢になりつつあります。大切なのは“自分のやりたいことを、自分の言葉で語れるようになること”です」と語りかけ、続いて登壇した2名の起業家からは、それぞれの経験に基づく印象的なメッセージが寄せられました。

平藤 篤 氏（株式会社マルチプル 代表）

　平藤氏は、学生時代にウェブ制作会社を立ち上げ、以来20年以上にわたりデジタルクリエイティブの分野で活躍しています。 　「好きなことを続けるために会社にした」という原点を語りながら、仲間と挑戦を重ね、自らの専門性を生かした事業づくりを続けてきたと振り返りました。

「クオリティを妥協せず、お客様にとって本当に必要なものを考え抜く。その姿勢が信頼を生み、人が集まってくる。」

　この言葉には、「好きなことを仕事にしながら、信頼を軸に事業を続けていく」という平藤氏の起業観が込められています。起業とは“特別な挑戦”ではなく、「自分たちの価値観を社会に根づかせるための手段」であるという考え方が印象的でした。

山根 弘成 氏（ディップ株式会社 BIZOPS本部 マネージャー）

　一方の山根氏は、AIや新規事業の開発を推進しながら個人事業主としても活動しています。 　起業を続けるための鍵として、「再現性のある仕組み化・抽象と具体の往復・アドリブ力」の3点を挙げ、「どんなに優れたアイデアも仕組みにできなければ続かない。一方で、変化に柔軟に対応するアドリブ力も欠かせない」と語りました。

　この言葉には、「起業を“始める”だけでなく、“続ける”ための仕組みをどう作るか」という、山根氏の実践的な起業観が込められています。“ひらめきで始める起業”ではなく、“仕組みで育てる起業”という考え方が印象的でした。

　この二人の言葉は対照的でありながら共通して、「自分の信じることを、続けられる形にする」というメッセージを学生たちに投げかけていました。

「明星大学らしい起業」とは

　セッションの終盤では、学生からの質問をきっかけにディスカッションがさらに深まりました。 その流れを受けて、モデレーターの萩原修教授から、 「明星大学らしい起業とは？」というテーマが投げかけられました。

平藤 篤 氏（株式会社マルチプル 代表）

　平藤氏は、地域と人のつながりを重視しながらこう語りました。

　「明星大学の学生は、多摩地域出身や近隣で暮らす方が多い。だからこそ、この地域をつなぐ“ハブ”になるような起業が、明星大学らしいと思う。」

　さらに、「就職活動で出会えない企業や人に、自ら会いに行くことが第一歩」とも述べ、地域との関わりの中から生まれる起業こそ、明星の強みだと強調しました。

山根 弘成 氏（ディップ株式会社 BIZOPS本部 マネージャー）

　山根氏は、これまで多くの学生と関わってきた経験から、明星生の特徴をこう表現しました。

　「明星の学生は、心に青い炎を灯したシャイな人が多い。熱い思いを持っているのに、それを言葉にするのが苦手。でも、それこそが可能性。思いを言葉にして発信すれば、共感が生まれ、仲間ができる。」

　山根氏は、「“内に秘めた情熱を外に伝える力”こそが明星大学らしさだ」と語り、学生たちの背中を押しました。

　萩原教授は、両氏の意見を受けて次のようにまとめました。

　「明星の学生は、静かな熱を持っている。一歩踏み出して他者と交わることこそが、成長と起業の始まりになる。」

　明星大学の教育理念「実践躬行（じっせんきゅうこう）」にも通じるように、自ら動き、関わりの中で価値を生み出す姿勢こそが、明星大学らしい起業のかたちであると締めくくられました。

「CROSSING DAY 2025 WINTER – DEMODAY」開催決定！

　MEISEI CROSSING BASEが提供している各種の起業支援プログラムに参加した学生起業家たちの活動成果を紹介します。

　専門相談員によるメンタリングを通してビジネスをブラッシュアップした学生起業家や、自治体や地域事業者の課題に対して新たな 事業の提案をした学生チームなどが、その成果を発表します。

イベント概要

• 日程：2026年1月23日（金）18時30分〜20時45分
• 場所：明星大学日野校28号館アカデミーホール（28-204教室）

※詳細は「CROSSING DAY 2025 WINTER – DEMODAY」チラシをご覧ください

　明星大学は、多摩地区に本社を持つ企業の社長の出身大学別ランキングで、全大学中、3位（2024年11月、株式会社帝国データバンク集計）につけるなど、地域に経営者を数多く輩出しています。「多摩に根差し、地域に貢献する大学」を目指すとのビジョンの下、これまでも経営学部の事業承継・イノベーターコースや高校生対象の起業体験教育である「高校生アントレプレナーズキャンプTAMA」をはじめ、複数のアントレプレナー育成プログラムを通じて起業家教育を積極的に進めてきました。
　2024年11月に東京都の「大学発スタートアップ創出支援事業」に採択されたことから、このたび、社会課題を解決するビジネスを創出する全学的な取り組みとして「MEISEI CROSSING BASE」プロジェクトを開始し、学生向けの起業支援体制を整備しました。学生と企業、行政、市民間の交流を促し、課題認識や共感を深めながらアイデアの創出を支援し、また起業の実現に向けて専門家による支援も提供します。