近年、新卒採用市場では売り手優位の状況が続き、採用活動の早期化・オンライン化の進展により、学生が十分な職業理解を得ないまま進路選択へ進むケースが増えています。こうした環境のなか、学生と企業・団体との間で生じるミスマッチを防ぎ、働く姿をより具体的に描けるようにするためには、実際の職場を訪れ、現場の最前線で活躍する社員から直接話を聞く「実体験」に基づく学びが欠かせません。
今回の体験型キャリア形成プログラムは、その課題を踏まえ、学生が地域企業の現場に触れながら業務理解を深め、職業選択に必要な判断材料を得る機会として企画されたものです。
明星大学は、“実体験を通した学び”を教育の柱の一つに据えるとともに、「多摩に根差し、地域に貢献する大学」というビジョンを掲げています。地域社会と連携し、地域の未来を支える人材を継続的に輩出することを重要な使命と捉えています。
今回の体験型キャリア形成プログラムは、そうした本学の方針に基づき企画されたものです。多摩地域の企業・団体5社の協力を得て、職場見学や社員との対話を通じて、企業が求める人材像の理解を深め、卒業後のキャリアの具体化を促すことを目的としています。最終的には、学生が自らの適性に合った進路を選択できるよう支援するとともに、「地域で働く」という選択肢を広げ、地域社会の担い手となる人材育成につなげることを目指しています。
- 職場見学(工場・オフィスなど)
- 現場社員との座談会
- 人事担当者による職種・業界説明
- 質疑応答・ディスカッション
各回は約90分とコンパクトながら、現場のリアルが伝わる内容で、本学職員の同行により学生の理解をさらに深めました。
「多摩地域企業・団体見学ツアー」の様子(JUKI株式会社)