2025年9月24から26日に鳥取大学にて開催された第33回地球環境シンポジウム(土木学会)において、経済学部経済学科4年生の長谷川 愛奈さんがポスター発表しました。
研究発表について
タイトル
食品価値と食品ロスの関係性に関する一考察
Analysis of the Relationship Between Food Value and Food Loss
発表者
経済学部経済学科4年 長谷川 愛奈
研究内容
我が国の食品ロス発生量は減少傾向にあり、世界の主要国と比較しても低水準にあります。こうした傾向について、多くの人は、日本人が持つ意識の一つである「物を大切にする心」にその根拠を求めています。
しかし、この「物を大切にする心」の形成には、いくつかの要因が影響していると考えられ、その一つとして「物が高価(希少)だったこと」が挙げられます。すなわち、希少性の高い財は価値が高いため丁寧に消費され、その過程で「物を大切にする心」が育まれたと考えることができます。
本研究では、食品ロスが発生する要因の一つとして「食品価値の低さ」に着目し、我が国における食品ロスの発生量を、食品価格およびその他の経済学的・社会的要因を捉えたいくつかの変数を用いて重回帰分析しました。その結果、食品ロスの発生量は、いくつかの食品価格と負の相関関係にあることが明らかとなりました。 この結果から、食品の価格が消費者の行動に影響を与え、食品価値の認識がロスの抑制に寄与する可能性が示唆されます。食品ロス削減に向けた政策立案においては、価格メカニズムを含む経済的インセンティブの活用も有効である可能性があると考えられます。