2025年8月7日(木)~9日(土)の3日間、明星大学日野校にて「高校生アントレプレナーズキャンプTAMA 2025」が開催されました。本プログラムは、学校法人明星学苑が主催する高校生向けの起業体験教育プログラムで、今年で4回目の開催となります。
今回は、多摩地域を中心に、遠くは愛媛県や三重県からも参加があり、過去最多となる35名の高校生が集まりました。参加者たちは、日常生活の課題を出発点に、革新的なサービスを企画・発表するという実践的な3日間を過ごしました。最終日には、明星大学のオープンキャンパス来場者も含めた一般の観客の前でプレゼンテーションを行い、最優秀チームには表彰状とトロフィーが授与されました。
Day1:緊張から笑顔へ、学びのスタート
初日、緊張の面持ちで集合した高校生たちでしたが、最初に行われたアイスブレイク企画で一気に打ち解け、会場には笑顔が広がりました。その後、講師の伊藤智久教授(明星大学経営学部)、金子晃輝氏(株式会社ロンド代表取締役)による講義を通じて、起業に関する基礎知識やスキルを体系的に学びました。
午後からは、グループごとに日常生活における課題を発見し、それをビジネスプランへとつなげていくワークに取り組みました。最初は笑顔も多く見られたグループワークでしたが、アイデアの整理や方向性の統一に苦戦する場面もあり、各グループとも真剣な表情で議論を重ねていました。
Day2:試行錯誤の連続、深まるチームの絆
二日目は、最終日の発表に向けて、各グループがスライドの準備やプレゼンテーションの練習に取り組みました。しかし、これがなかなか難しく、思うように進まない場面も多く見られました。何度もやり直しを重ねるグループもあり、プログラム終了後も作業を続ける姿も見られました。中には、帰宅後にチャット等で連絡を取り合いながら準備を進めたグループもあったようです。また、Day2までの2日間、経営学部の学生2名がSAとして参加。熱心に高校生たちにアドバイスを送るとともに、「絶対良い経験だから、自分たちも参加しておけば良かった」と何度もつぶやいていたもの印象的でした。
Day3:熱気あふれる発表会、そして感動の表彰
そして迎えた三日目。各グループともプログラム開始前から早めに来校し、最後の準備に取り組みました。午後からは、オープンキャンパスと連動した発表会が開催され、一般来場者も含めた多くの観客が見守る中、プレゼンテーションが行われました。
審査には、ゲストコメンテーターの小崎奈央子氏(けやき出版代表取締役)をはじめ、多摩信用金庫、日本政策金融公庫など後援団体からも審査員が参加し、実践的な評価が行われました。
大変な緊張感の中、各グループの趣向を凝らしたプレゼンが展開され、ユニークなアイデアに対してビジネスのプロから鋭い指摘が入るなど、スリリングな展開に会場は熱気に包まれました。特に印象的だったのは、各グループが作成したスライドやサービスのプロトタイプのクオリティの高さ。短期間でここまで仕上げたことに、審査員からも驚きの声が上がりました。
厳正なる審査の結果、「すべての人が、安心して“食”を楽しめる世界をつくる」というヴィジョンを掲げ、「飲食店と協力して食品に含まれる27種類の食物アレルゲン情報を登録・公開するアプリ」を提案したグループ『OkoNomy』が最優秀賞を受賞しました。
あるメンバーは、「私は、大学まで2時間くらいかけて通ったけども、全く苦にならないくらい、3日間毎日が楽しくて、全てが刺激的でした。仲間たちにも恵まれ、素晴らしい経験ができた」と語り、その言葉からも本プログラムの充実度がうかがえました。
最優秀チームを祝福する一方で、悔しそうな表情を浮かべる参加者も多く見られました。それだけ真剣に取り組んだ証であり、会場には達成感とともに、次なる挑戦への意欲が満ちていました。
表彰式終了後には、各グループで「グループのメンバーにありがとうを伝える」ワークが行われました。お互いに感謝の気持ちを伝え合うことで、それぞれがグループ内で果たした役割が改めて明確になり、プログラムを締めくくる最高のワークとなりました。
「高校生アントレプレナーズキャンプTAMA 2025」を通じて、高校生たちは、課題発見から企画、発表までの一連のプロセスを体験し、大きな成長を遂げました。