教室講義で学んだ知識や技法を実践に活かす
経営学部中島洋行ゼミナールでは、3年生の「ゼミナール1」の授業において、製造業の経営活動について理解するために、商品開発から試作品作成、量産、そして八王子市内での3日間の販売に至るまでの一連のプロセスを実践的に学ぶ取り組みを2018年から毎年行っています。ビジネスプランを立てるだけではなく、実際にやってみることを重視し、明星大学の教育方針である「実践躬行の体験教育」を体現化した教育活動です。
「経営実践プロジェクト」の概要
ゼミ内を3つの班に分け、各班で商品開発と試作品作成を行います。試作品をもとにして、2025年5月14日(水)の3・4年生の合同ゼミナールにて、各班のプレゼンテーションとゼミ学生23名による投票を行い、1位となった商品を実際に販売。今年は『カードも入るキーケース』が選ばれました。
販売する商品が決まると、販売価格と目標販売数量を決めたうえで量産します。目標販売数量を150個に設定し、売れ筋なども考慮しながら4色(黒・茶・青・白)のキーケースを生産します。ゼミ学生12名で作業工程を分担して、できるだけ効率よく生産する方法も考えて実践に活かします。
2025年6月1日(日)・7日(土)・8日(日)の3日間にわたり、八王子駅近くのレンタルスペース「はちチャレ」を借り、主に「ユーロード商店街」にて、各日6時間の販売活動に臨みました。よりリアルな活動にするために家族や友人などを呼ぶことは禁止というルールの中で、商店街を通行する面識のない消費者に販売を試みますが、初日は20分以上声をかけ続けても1個も売れない時間帯もありました。声掛けの方法や商品説明の方法などを工夫することで、少しずつ売れ始めました。
2・3日目は売れ筋のカラー(青が人気)を増産したり、看板を追加したりして、最終的に3日間で155個を完売し、売上高は127,700円を達成。売上高が10万円を超えたのはこれが初めてです。
実践を通じて経営学をより多面的に学ぶ
約2か月にわたる商品開発から生産にいたるまでの活動と、3日間の販売活動を通じて、製造業のビジネスプロセスを疑似的に体験することができました。2025年6月20日に実施したふりかえりの授業では、学生から自分たちが企画・設計した商品を街の人々に多く買っていただけたうれしさ、同一規格・同一品質を維持したまま量産することの大変さ、アルバイトとは異なる環境での販売活動の難しさ、チームワークの重要性、予期せぬトラブルが発生した時の対応について学べたなど、様々な感想が聞かれました。はちチャレの活動を通じて、学生も自らの成長をより一層実感できたようです。