明星大学(東京都日野市)では、学内の自然環境に着目し、その里山としての活用と地域連携について考える「明星SATOYAMAプロジェクト2022→2025*」を始動しました。(*旧称「みどりのキャンパスプロジェクト」)
大学の緑地を中心に据えて、学部を越えた学生・教職員、地域の皆様、近隣の大学、近隣自治体など多様な人々と交わりながら広がるプロジェクトです。
プロジェクトのポイント
①大学の敷地だからこそ保全されてきた「里山」としての自然環境・資源・歴史に着目した。
②その活かし方について、各学部それぞれの視点、専門性を持ち寄り掛け合わせながら考える、学部横断型のクロッシング・プロジェクトとした。
③創立以来多摩地域に根差す本学ならではの、地域を巻き込み広がる取り組みとした。
④地域に根差した取り組みが世界の自然共生社会の実現につながるという考えのもと、ローカルとグローバルをつなぐ具体的な取り組みとして位置付けた。
明星SATOYAMAプロジェクト2022→2025 コンセプト
食べることは生きること、昔は里山にすべて詰まっていました。このプロジェクトは、異なる場が入り組んでいる里山の生物多様性に着目し、地域の文化や歴史、暮らしや仕事を含めたこれからの時代にふさわしいSATOYAMAを模索します。大学の緑地を中心に、学生、教職員はもちろん、周辺の多様な人々が出会い、語らい、学び、共創する活動の場です。
キャンパスの資源と、プロジェクトで広がる可能性
プロジェクトを通してキャンパスの資源を①調べ、②知ってもらい、③デザインし、④創り、⑤整備・管理し、⑥体験する というサイクルを回すことで、より魅力のある開かれたキャンパスを目指します。
プロジェクトメンバーである各学部の教員は「多摩の里山を楽しむキャンパス」というコンセプトのもと、学生を巻き込みながらそれぞれの専門領域を活かした取り組みを進めます。
経営学部では大森寛文教授を中心に学内里山資源の探索と散策コースの提案 、安岡寛道教授を中心にSDGsとポイントプログラムを掛け合わせたSDGsポイント、建築学部では村上晶子教授、米田正彦教授を中心に学内外の人々の憩いの場になる東屋(あずまや)の設計、デザイン学部では萩原修教授を中心に地域連携の仕組みのデザイン、教育学部では髙橋珠洲彦准教授を中心に歴史地理学の観点から学内を通って地域をつないでいる“むかし道”の散策路化、理工学部では柳川亜季准教授を中心にホタル池の保全や齊藤剛教授による間伐材の資源化などを進めています。
本プロジェクトは地域を巻き込み広がる取り組みとして、これまでに日野市市役所との情報交換や近隣大学と共同での散策、八王子・日野カワセミ会協力のもとでの構内野鳥観察などが行われています。
ローカルとグローバルをつなぐ取り組み
2022年4月、明星大学は新たなビジョンを掲げました。
明星大学ビジョン
- 新たな時代を世界の人々と共創する大学
- 多摩に根差し、地域に貢献する大学
この二つのビジョンは切り離されたものではなく、地域に根差した取り組み(ローカル)が世界との共創(グローバル)につながってゆくことを示しています。大学の緑地を活かす取り組みを通じて世界の自然共生社会の実現に参加していく本プロジェクトは、明星大学の新たなビジョンを具現化する取り組みとしての側面を担っています。
対談を公開中
本プロジェクト発起人である柳川亜季准教授と落合一泰学長との対談をnoteより公開中です。