Society 5.0 時代において必要とされる数理・データサイエンス・AI (以下、DSと略す)に関する能力を身に付けられるようにするため、明星大学では次の3つのアプローチでDS教育を推進しています。
(a) リテラシーとしてのDS教育を全学的に実施
(b) データサイエンスを駆使する人材養成を目的とする学位プログラムの開設
(c) 各学部におけるそれぞれの専門分野でのDS活用の深化
これらの達成のため、明星大学では2023年4月にデータサイエンス学環(以下、DS学環)を設置しました。
データサイエンス学環では、まず (b) について、「学士(データサイエンス)」を課程修了時に学位として授与する学位プログラムを開設し、4年間の学修環境やカリキュラムの提供と教育の実施をスタートさせました。
また、データサイエンス学環の開設と同時に、(a) について、全学共通科目(必修科目)「データサイエンスリテラシー」を新設しました。この科目は、明星大学に入学する全ての学生が1年次に履修し、卒業までに必ず修得しなければなりません。
加えて、2024年度から (b) に関連して、データサイエンス学環の学生を対象として、「データサイエンス演習1」と「AI・機械学習1」を新設しました。これらの科目は、明星大学データサイエンス学環に入学する学生が2年次に履修し、卒業までに必ず修得しなければなりません。
明星大学データサイエンス学修プログラム(リテラシーレベル)
文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に合わせた教育プログラムとして、「明星大学データサイエンス学修プログラム(リテラシーレベル)」を設けています。このプログラムを構成する科目として、全学共通科目(必修科目)「データサイエンスリテラシー」を開設しており、本科目の修得をもってプログラムの修了要件が満たされます。
- プログラム名称:明星大学データサイエンス学修プログラム
- 授業科目:データサイエンスリテラシー
- 単位数:2単位
- 科目区分:全学共通科目(全ての学部・学環における卒業要件として必修)
- プログラム修了要件:科目「データサイエンスリテラシー」の単位修得
本プログラムで身につけることのできる能力
人工知能(AI)の社会での利活用が急速に広まる中、AIを適切に機能させるために大量のデータが必要になっています。また、さまざまな局面での意思決定におけるエビデンスに利活用されるなど、データの重要性は益々高まっています。
「データサイエンスリテラシー」では、まず私たちの日常生活など身近なところでどのようにAIやデータが利活用されているか、また必要なデータがどのように生成、収集、整理されているかについて学びます。そして、AIやデータを活用するために、データを読み、説明する手法や、基礎概念を学びます。加えて、データやAIをはじめとする新しい科学技術を取り入れていく上で重要となる、倫理的、法的、社会的課題についても学びます。
これらの学びにより得られる能力として、履修生が到達する目標を次のように定めています。
- データ活用の事例を多く知り、データ活用の必要性と重要性とを理解し説明できる。
- データを正しく取り扱い、統計的に正しく分析し、AIを適切に活用する基礎を身に付ける。
- データを活用する上で留意すべき、倫理的・法的・社会的課題を理解し説明できる。
これらの目標を達成することにより、学科等での専門的な学びや研究の中で、データの利活用を適切に行うための基盤を築くことができます。
授業の方法・内容
「データサイエンスリテラシー」では、オンラインツールを用いながら、クラスの履修者や教員、TA・SAと相互レビューや意見交換を行い、課題やその解決に至る分析に対する考察を深めたり、分析ツールの使い方について学びを進めたりします。対面で質問をすることもできます。
各回の内容は大きく2部構成になっています。前半は、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」における、モデルカリキュラムリテラシーレベルの「1. 社会におけるデータ・AI利活用」「3. データ・AI利活用における留意事項」に該当する内容に関する導入とその意見交換を行っています。後半は、「2. データリテラシー」に該当する技能について、学修者自身で手を動かしながら把握し、その意見交換ができるようにしています。
履修者同士の意見交換を活発にできるような問いを教員側から提示することにより、数理・データサイエンス・AI に関する内容に対する好奇心を醸成するよう心がけています。
参考
実施体制
- ※1データサイエンス学環にデータサイエンス教育検討委員会を置き、データサイエンス教育の充実・改善・進化、および学内外への展開を見据えた教育プログラムの開発・整備を行うこと、ならびに自己点検・評価についての検討を行います。
- ※2データサイエンスリテラシー運営チームは、科目担当教員をはじめ、教材や学習システムの開発・整備・改善を行う教員および学生(TA・SA)により構成されています。また、TA・SAの養成も行っています。
自己点検結果
「データサイエンスリテラシー」では、受講生の活動記録(ログデータ)や授業アンケートをもとに、検証(自己点検・評価)を行いながら、逐次改善を行なっています。検証結果について、2023年度は紀要論文としてまとめましたので、ご参照ください。
データサイエンス学環(学位プログラム)
データサイエンス学環では、所定の要件を修めることで「学士(データサイエンス)」が授与される学位プログラムを提供し運営しています。特に、データサイエンスを専門とする人材を養成することを目的とする学位プログラムです。
詳細は以下の関連ページをご参照ください。
明星大学データサイエンス学修プログラム(応用基礎レベル)
文部科学省の「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」に合わせた教育プログラムとして、「明星大学データサイエンス学修プログラム(応用基礎レベル)」を設けています。
- プログラム名称:明星大学データサイエンス学修プログラム(応用基礎レベル)
- 授業科目:
データサイエンス演習1(単位数:2単位)
AI・機械学習1(単位数:2単位)
- プログラム修了要件:上記2科目の単位修得