2024年4月1日
明星大学学長 冨樫 伸
明星大学学長 冨樫 伸
明星大学は、ここに集う「学生と教職員の安全」と「可能な限りの学事の遂行」を大きな原則として大学を運営しております。2024年4月1日の入学式に対する理不尽な爆破予告があり、この原則に照らしまして入学式の実施を見送るという苦渋の決断に至りました。関係者の皆様には何卒、ご理解を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
新入生の皆さんを明星大学にお迎えする式典を予定通りに開催することが叶いませんことについては、皆さんと皆さんをお迎えする教職員、在学生との想いは一つです。全員の不安を払拭し、力を合わせて明星大学での大切な1ページ目を描いて、新たな学びをスタートしていただけるように支えてまいりますことをお約束します。
以下は、明星大学での学びを始める新入生への応援と皆さんをお迎えすることの喜びの気持ちを込めて用意しました入学式の告辞ですが、このようなかたちでご覧いただくこととなりました。
新入生の皆さんを明星大学にお迎えする式典を予定通りに開催することが叶いませんことについては、皆さんと皆さんをお迎えする教職員、在学生との想いは一つです。全員の不安を払拭し、力を合わせて明星大学での大切な1ページ目を描いて、新たな学びをスタートしていただけるように支えてまいりますことをお約束します。
以下は、明星大学での学びを始める新入生への応援と皆さんをお迎えすることの喜びの気持ちを込めて用意しました入学式の告辞ですが、このようなかたちでご覧いただくこととなりました。
学長告辞
本日、明星大学の学士課程および研究科に入学された皆さんをお迎えできましたことは大変に嬉しく、明星大学の教職員と在学生を代表して皆さんに歓迎のご挨拶をさせていただきます。
明星大学の開学は1964年であり、今年、2024年に創立60周年を迎えました。理工学部から始まり、現在は9学部1学環、12学科、6研究科を擁する総合大学になっています。そのすべてが、この日野キャンパスに集っています。この特徴を活かしつつ、明星大学では「学修者本位の学び」の実現に努力しています。
「学修者本位の学び」とは何でしょう。ここでの「学修」は「まなびならう」「学習」ではなく、「まなびおさめる」「学修」です。明星大学の全ての学生に、積極的かつ自律的な学修者として自ら学びを設計し、学科等が提示しているディプロマ・ポリシー(学位授与方針)の達成を通じて自らの学びの成果を実証していただくことです。決して学修者が自分の好きなようにするということではありません。明星大学は、学生がそれを成し遂げることを支援するための不断の教育改革を進めています。
さて、もはや言い古された感もありますが、私には以前から気になっていることがあります。
それは、大学生が自らを「生徒」と称する場面に遭遇することが珍しくなくなったことです。学校教育法によりますと、小学生を「児童」、中学生と高校生を「生徒」、大学などの高等教育機関に学ぶ者を「学生」と呼称することになっています。「生徒」と「学生」の学びにおいて、何が異なるのでしょう。国公立、私立といった学校の設置者に関わらず、初等教育、中等教育についてはその課程で児童・生徒が学ぶ内容が学習指導要領に示されており、検定教科書の使用と合わせて標準化されていることは皆さんもご存知でしょう。
一方、大学における学びについては、各種の資格に関わる学びには要件や条件が設定されている場合があっても、各授業科目に関する指導要領や検定教科書は存在しません。大学や大学院での教育にあたる教員はそれぞれの研究に精進する者であり、自身の信じるところを講じますが、それは唯一の正解というわけではない場合も少なくないのです。高等教育機関における研究と教育は、正解が定まってはいない新たな課題に立ち向かうための営みです。各学科等が掲げているディプロマ・ポリシーはそうした営みを自律的に行うことのできる力の涵養に向けた具体的な目標です。
皆さんが入学を果たされた学部や学環、学科、そして研究科では、人材養成の目的とディプロマ・ポリシーを掲げています。学生はディプロマ・ポリシーの達成を目指して、カリキュラムにある科目の組み合わせを自身でデザインし、自身の学びの状況を確認しながら自律的に学ぶことになります。その目標の実現に自らが責任を持つことになるのです。これこそが、「学修者本位の学び」であり、それが可能である者を「生徒」ではなく「学生」と呼称すると私は考えています。
本日、明星大学に入学された皆さんには自信を持って「学生」を名乗っていただける存在であって欲しいと思います。
皆さんが明星大学で、学生として自律的に学び、自らの人生の開拓者として巣立っていかれる時に、皆さんを応援してくださっているご家族や保証人の皆さんの歓びや安堵と共に、私は今日のお話の中で使うことのなかった、とっておきの言葉、明星大学に入学し、学びを修められたことを祝す「おめでとう」を贈りたいと考えています。皆さんが明星大学での自らの学びを修めてくださる事を心より願っています。
最後になりますが、本日ご来場をいただきました関係者の皆さまには、入学生のこれからの学舎となる明星大学を是非、ご覧いただきたいと思います。
これをもって2024年度明星大学入学式における、学長告辞とします。
明星大学の開学は1964年であり、今年、2024年に創立60周年を迎えました。理工学部から始まり、現在は9学部1学環、12学科、6研究科を擁する総合大学になっています。そのすべてが、この日野キャンパスに集っています。この特徴を活かしつつ、明星大学では「学修者本位の学び」の実現に努力しています。
「学修者本位の学び」とは何でしょう。ここでの「学修」は「まなびならう」「学習」ではなく、「まなびおさめる」「学修」です。明星大学の全ての学生に、積極的かつ自律的な学修者として自ら学びを設計し、学科等が提示しているディプロマ・ポリシー(学位授与方針)の達成を通じて自らの学びの成果を実証していただくことです。決して学修者が自分の好きなようにするということではありません。明星大学は、学生がそれを成し遂げることを支援するための不断の教育改革を進めています。
さて、もはや言い古された感もありますが、私には以前から気になっていることがあります。
それは、大学生が自らを「生徒」と称する場面に遭遇することが珍しくなくなったことです。学校教育法によりますと、小学生を「児童」、中学生と高校生を「生徒」、大学などの高等教育機関に学ぶ者を「学生」と呼称することになっています。「生徒」と「学生」の学びにおいて、何が異なるのでしょう。国公立、私立といった学校の設置者に関わらず、初等教育、中等教育についてはその課程で児童・生徒が学ぶ内容が学習指導要領に示されており、検定教科書の使用と合わせて標準化されていることは皆さんもご存知でしょう。
一方、大学における学びについては、各種の資格に関わる学びには要件や条件が設定されている場合があっても、各授業科目に関する指導要領や検定教科書は存在しません。大学や大学院での教育にあたる教員はそれぞれの研究に精進する者であり、自身の信じるところを講じますが、それは唯一の正解というわけではない場合も少なくないのです。高等教育機関における研究と教育は、正解が定まってはいない新たな課題に立ち向かうための営みです。各学科等が掲げているディプロマ・ポリシーはそうした営みを自律的に行うことのできる力の涵養に向けた具体的な目標です。
皆さんが入学を果たされた学部や学環、学科、そして研究科では、人材養成の目的とディプロマ・ポリシーを掲げています。学生はディプロマ・ポリシーの達成を目指して、カリキュラムにある科目の組み合わせを自身でデザインし、自身の学びの状況を確認しながら自律的に学ぶことになります。その目標の実現に自らが責任を持つことになるのです。これこそが、「学修者本位の学び」であり、それが可能である者を「生徒」ではなく「学生」と呼称すると私は考えています。
本日、明星大学に入学された皆さんには自信を持って「学生」を名乗っていただける存在であって欲しいと思います。
皆さんが明星大学で、学生として自律的に学び、自らの人生の開拓者として巣立っていかれる時に、皆さんを応援してくださっているご家族や保証人の皆さんの歓びや安堵と共に、私は今日のお話の中で使うことのなかった、とっておきの言葉、明星大学に入学し、学びを修められたことを祝す「おめでとう」を贈りたいと考えています。皆さんが明星大学での自らの学びを修めてくださる事を心より願っています。
最後になりますが、本日ご来場をいただきました関係者の皆さまには、入学生のこれからの学舎となる明星大学を是非、ご覧いただきたいと思います。
これをもって2024年度明星大学入学式における、学長告辞とします。
4月1日には、多くの皆さんが利用する多摩モノレールの車内表示器にメッセージを掲載する用意もしていました。
多くの皆さんには直接ご覧いただくとができず残念ですが、モノレールの車両は4月1日に、次のように皆さんを歓迎してくれています。
多くの皆さんには直接ご覧いただくとができず残念ですが、モノレールの車両は4月1日に、次のように皆さんを歓迎してくれています。
「祝入学!幸せな学びと出会いの明星大学へようこそ。素敵な4年間を!」