学部について
宇宙から分子・原子まで幅広く研究。
科学技術の基礎を学び、活かし方を探究。
40cm反射望遠鏡をそなえた天文台による、本格的な天体観測・研究をはじめ、電子部品用の新材料の探索や、生命現象の物理学的な手法による解明など、宇宙から分子・原子まで幅広い対象を研究できます。自習スペースと教授室が隣接し、学生と教員の距離が近いのも特長です。また、上級生がアドバイザーとして下級生の授業に参加し、お互いに学びと経験を深めています。
理工学の確かな専門性を持ちつつ、他者と協働して社会や自然界における課題の発見・解決に取り組めるように、
従来の分野専門(4コース)に加えて、幅広い知識やスキルを見につけることができる分野横断的な学びを拡充しました。
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所属コースを2年生で決定できる
フレキシブル入試も導入
1年生の間は、所属コースを決めずに広がる興味に合わせてさまざまな分野を柔軟に学修。2年生への進級時に所属コースを選択できます。
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多様な課題に対応する
SDGsを題材としたカリキュラム
SDGsやDX/GXを中心とした、文理融合型のリベラルアーツ関連の共通科目を拡充。これからの時代に求められるイノベーション思考を養います。
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課題発見や解決に活用する
AI・データサイエンス演習
数学科目からデータサイエンス演習まで体系的に学べるカリキュラム。多様な分野でAIやデータサイエンスを活用できる力を身につけます。
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社会課題に理工学の知識を活かして挑む
課題解決型科目
社会のさまざまな課題にPBL(Project Based Learning)で挑戦。知識とスキルをフル活用し、コミュニケーション能力とイノベーション思考を養います。
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広がる興味に応じて複数の履修が可能
専門プログラム基礎/応用
コース毎の専門教育は、2年生からスタート。前期にコース毎で必要な基礎科目を学修。2年生後期から3年生前期にかけて、専門プログラム基礎/応用を学びます。3年生後期には他コースの専門プログラムも履修可能です。
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明星大学天文台40cm反射望遠鏡
明星大学天文台では、都内の大学で最大級、私立大学では唯一の40cmリッチー・クレチアン式反射望遠鏡や、30cmシュミットカセグレン型反射望遠鏡などの望遠鏡をそなえ、星団までの距離や変光星の周期などを求める研究を行っています。
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光による物性測定装置
励起光源にNd-YAGレーザーを用いており、蛍光スペクトルやサブナノオーダーの時間分解蛍光スペクトルや蛍光寿命を調べることができます。
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超高真空蒸着装置
超高真空をベースとする反応炉内で非常に純度の高い単結晶薄膜を成長できる装置です。また、成長した結晶表面の原子配列や元素の種類について電子線を用いて測定・評価することも可能です。
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走査プローブ顕微鏡
原子間力顕微鏡(AFM)と走査トンネル顕微鏡を搭載しています。原子・分子レベルから20μm(マイクロメートル。1μm=10-6メートル)の表面形態観測ができます。
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高速カメラ
流体やソフトマターが発現する動的な現象を、1秒に最大5000枚の撮影が可能な高速カメラで追跡します。
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【1年生】
物理学を学ぶうえでの基礎を修得する。
【物理学概論】
4年間の学びの基礎を固めよう
物理学の概要と入門的内容を学習。基礎になる力学・電磁気学と、その根底にある数学を使った考え方に習熟し、物理学を学ぶための基礎力を身につけます。
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【2年生】
物理学コースの基礎科目を中心に学ぶ。
【物理学実験1・物理学実験2】
実験を通して物理の魅力に触れよう
力・ 磁気・波・光・量子など幅広い分野の実験を行い、物理現象への理解を深めます。また、その過程で課題を発見・解決する力や、協働する力を身につけます。
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【3年生】
物理学コース応用科目で学びを深める。
【天体物理】
学んで来た知識をフル活用
力学・ 磁気学・波動・熱統計力学・量子力学など、基礎科目で学んだ内容を全て活用し、天体のさまざまな物理状態や天文現象を物理学の基本に戻って理解します。
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【4年生】
集大成としてゼミ・卒業研究に取り組む。
【卒業研究】
興味のあるテーマを深く研究しよう
星の誕生、ブラックホール、銀河、気候変動、大気汚染、素粒子、量子力学、相対論、原子・分子、半導体、生物物理、ソフトマター、シミュレーション物理など、深く研究できます。
さまざまな天体現象を根本から理解する「宇宙科学」と航空宇宙関連の工学を学べる「航空宇宙」を組み合わせることで、天文学とそれを支えるものづくりの全体像を理解することができます。
もっと見る
尾中・小野寺研究室(天文学研究室)
天文学・天体物理学の観測的研究
尾中 敬 常勤教授
小野寺 幸子 准教授
【天文学系】
天文学研究室では、宇宙を構成する星・銀河・銀河団の環境や構造、星間物質から星が誕生していく過程や星間物質そのものに関連する現象について、衛星や地上の大型望遠鏡を用いて先端的な研究を行っています。
宮村研究室(宇宙システム研究室)
人工衛星による宇宙利用を考える
宮村 典秀 教授
【航空宇宙分野】 人工衛星から地球を観測する技術・リモートセンシングを担う宇宙システムの研究を行っています。主な研究テーマは、光の波面補償によって軌道上で光学性能を補正する補償光学技術※。この技術を使って、小型衛星に搭載するセンサの観測性能を大幅に向上させることをめざしています。また、研究成果を宇宙で実証するために、小型衛星の研究開発にも取り組んでいます。 ※宮村研究室では、形状を変形させられる薄い鏡に歪んだ光の波面を導き、きれいな波面に補正している。
石田研究室(素粒子論研究室)
素粒子とその相互作用の理論的研究
石田 宗之 准教授
【理論系】
物質を細かく分割していくと、分子や原子の世界が現れます。100以上ある原子の周期表は皆さん知っているでしょう。物質の究極の姿は何なのか?その存在と性質を解明するのが、素粒子物理学の目的です。それは物質が存在する時空間や、宇宙の性質と深く結びついています。石田研究室では、高次元時空の現象論的模型を構築する研究を行っています。
鈴木研究室(統計力学・生物物理学研究室)
蛋白質の立体構造の理論的研究
鈴木 陽子 准教授
【理論系】
タンパク質は、生体内でDNAの遺伝情報をもとに組み立てられ、それが折りたたまれて、3次元の立体的な構造をとることで、身体の中でさまざまな働き(例えば消化など)をします。鈴木研究室では、タンパク質がどのように折りたたまれていくのかということについて、理論的な面からの研究を行っています。さらに、理論の検証をするために、コンピュータを使って計算を行っています。
赤坂研究室(半導体物理研究室)
ワイドギャップ半導体の量子構造・物性の研究
赤坂 哲也 教授
【半導体・物性物理】
窒化物半導体や酸化物半導体などのワイドギャップ半導体は、従来の代表的な半導体であるシリコンと比べて優れた物性(物理的性質)を示し、白色光源やパワーデバイスなどの省エネデバイス材料として研究されています。赤坂研究室では、ワイドギャップ半導体の単結晶薄膜やナノメートルサイズの量子構造を作製し、それらの物性を実験的に探っていきます。
中田研究室(物質構造科学研究室)
金属の構造と物性に関する研究
中田 芳幸 教授
【半導体・物性物理】
2種類以上の金属を混ぜ合わせて合金を作ると、しばしば元の金属と異なった性質が出現します。中田研究室ではさまざまな金属から合金を作製し、それらの結晶構造と物理的性質の関連性について調べています。金属・合金では電気抵抗も物理的性質として重要です。写真は極低温冷凍機で、室温から4K程度までの電気抵抗変化を測定することができます。
古川研究室(ソフトマター物理研究室)
生体分子や有機分子などのやわらかい物質の研究
古川 一暁 教授
【マテリアルサイエンス】
物理学の研究領域は、ゴムのような材料や、生物を構成する組織などを含むソフトマター(やわらかい物質)にも着実に広がっています。古川研究室では、イオン液体と高分子とからなるイオンゲルや固体表面に作製した人工細胞膜を対象とした実験研究を推進しています。物理学と化学・生命化学とを融合した新しい研究領域を開拓します。
亀卦川研究室(気象・熱環境研究室)
都市と地球の気候変動とその影響・対策を研究
亀卦川 幸浩 教授
【地球環境分野】 専門分野は気象・熱エネルギー科学です。都市のヒートアイランド現象や気候変動について研究しています。都市の気象と電力消費量などの同時予測を行う独自のコンピュータシミュレーションモデルを駆使し、海外諸都市も対象に、気候変動予測や省エネ・緑化などの温暖化対策についても研究しています。
櫻井研究室(大気環境研究室)
大気汚染の発生メカニズムや環境影響を研究
櫻井 達也 准教授
【地球環境分野】 2013年に流行語大賞に選出された「PM2.5」。今やエアコンやマスクなどの商品開発では、PM2.5対応が当たり前の仕様となっています。櫻井研究室では、PM2.5に代表される大気汚染物質のフィールド観測をはじめ、都市から大陸規模を対象とした数値シミュレーション、さらには人体の健康影響に関する研究に取り組んでいます。
柳川研究室(緑地・生態系機能評価研究室)
都市緑地をはじめとする様々な土地被覆における生態系機能およびその評価に関する研究
柳川 亜季 准教授
【地球環境分野】 持続可能な社会および自然環境を形成することをめざして、緑地や生態系の多面的機能とそのデザインの研究に取り組んでいます。国内では、農耕地生態系の多面的機能評価として、農耕地の生物多様性保全機能と農産物の生産機能額のどちらもみたす農地の抽出やその条件の整理などを行っています。また、多摩川河川敷で、土壌昆虫と土壌および植生との関係についてのモニタリング調査を毎月行っています。
熊谷研究室(流体工学研究室)
気泡による船舶抵抗低減技術の研究
熊谷 一郎 教授
【「海・空・宇宙」で活躍】 水中翼を用いた気泡発生装置の開発・最適化実験を行い、船舶の正味抵抗低減技術に関する研究を行っています。3D-CADによって翼を設計し、3Dプリンターで製作。水槽を使ったスケールモデル実験や実船実験も行っています。また、この技術を応用し、水質改善用の省エネ曝気装置の開発も行っています。 曝気:微生物が有機物を分解するために必要な酸素を吹き込んだり混ぜたりすること。
西條研究室(物性化学研究室)
分子を使って磁性体を開発
西條 純一 教授
【錯体化学と物理化学領域】
分子で出来ているのに磁力をもつ物質が、分子性磁性体です。さまざまな置換基を組み込むことで、磁場で伝導性が変わる物質や、ガス吸着で磁性が変わる物質など面白い磁性体をつくることが出来ます。しかし、弱点は、相互作用が弱く低温でしか機能を発揮できないこと。西條研究室では、さまざまな新分子を合成し、相互作用が強い新磁性体の開発を行っています。
冨宿研究室(生物機能有機化学研究室)
有用物質合成のための新規酵素の探索と利用
冨宿 賢一 教授
【化学と生命科学の融合領域】
酵素は、生体内の代謝反応において触媒として働くタンパク質です。30℃くらいの温度や水中など穏やかな条件で機能するため、環境にやさしく省エネルギーな物質変換法として期待できます。冨宿研究室では、新しい酵素の触媒能力を自然界から見つけ出し、酵素の性質や機能、構造を明らかにするとともに、有用物質の斬新な物質合成プロセスへと展開する研究に取り組んでいます。
吾郷研究室(バイオマテリアル・コロイド研究室)
バイオマテリアルを用いた自然環境保全やリサイクルの技術開発
吾郷 万里子 特任准教授
【環境化学分野】 木質系由来のバイオマスは主にセルロース、ヘミセルロース、リグニン、ポリフェノール類から構成され、地球上で最大のバイオマス資源です。この貴重な資源の有効活用を図るため、新規機能性材料の開発に取り組んでいます。とくにリグニンを原料としたナノファイバーやナノ粒子合成技術に関する基礎研究や、ナノファイバーやナノ粒子を用いた応用研究(スーパーキャパシタ用電極材料の開発やナノ粒子を用いたエマルションの安定化など)を行っています。
※2019年度、2020年度卒業生の就職データ
※サービス業:受託研究・技術サービス業
主な就職内定先(2019~2021年度)
就職先一覧
高等学校で履修すべき科目 ※1
高等学校で履修することが望ましい科目 ※2
教科書は全ての基本ですから、教科書をよく読み、例題や章末問題を繰り返し解いておくと良いでしょう。答えを見なくても解けようになるまで、何度でも繰り返して下さい。
高校で履修した/している数学・物理科目の基本について、よく理解しておく必要があります。やはり例題を何度でも繰り返し解いて、身につけるのが良いでしょう。また、何かやりたいことがあって物理学コースを志望されていることと思いますから、自分のやりたいことと物理学の関連について、興味を持って深く学び、調べておくと良いでしょう。また、物理の教科書で式がいろいろ出てくると思いますが、式を丸暗記するのではなく、式の意味を理解し、説明できるように心がけて下さい(例えば運動方程式 F=maなら、「力は質量と加速度の積である」もしくは「質量mの物体に力Fを加えると、その物体は加速度a=F/mで運動する」等と説明できるようにしておく)
最低限、物理学の中で自分の興味のあるテーマについて、講談社の「ブルーバックス」シリーズ等の一般向け科学書を数冊は読んでおいてほしいです。
Q1
物理学コースの学生の雰囲気を
教えてください。
全体的にまじめでよく勉強しています。
Q2
明星大学の物理学コースならではの
学びの特徴を具体的に教えてください。
実験を通した学びに力を入れており、実験装置が充実しています。天文台もあります。
Q3物理の教員志望です。
教育学部の理科コースとの間で
迷っていますがどうしたら良いですか?
物理学コースには教員として活躍している卒業生も多くいます。教育学部の理科コースとの違いは、大学レベルの物理学を学べるかどうかです。大学の物理学は、中高の理科の教科書に載っているような公式がなぜ成り立つのかを根本から理解することが主要な目的の1つです。したがって、物理学コースを卒業して教員になれば、物理学を根本から理解した上で、深い観点と広い視野を持って物理を教えることができます。ただし理工学部の授業に加えて教職科目を履修する必要があり、非常に忙しくなるので、ある程度の覚悟は必要です。
Q4天文学に興味があります。
大学で天文学を学んだあと、
どのような進路がありますか?
物理学コースの他研究室と同じで、大部分が天文にこだわらない就職をしていますが、たまに科学館やプラネタリウム、光学機器メーカーなどに就職する人もいます。国立大の大学院に進学する人も珍しくありません。
他の学部・学科や大学の概要などについても
WEBで調べてみよう
学系の特設サイトでさらに詳しくチェックしよう
※物理学系は2023年度より
物理学コースに改編されます。
学系の特設サイトでさらに詳しくチェックしよう
※環境科学系のカリキュラムは、
2023年度より各コースに横断的に組み込まれます。