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心理学専攻 教員の主な研究テーマ

心理学専攻

臨床

表現を用いた心理療法および投影法心理アセスメント

 臨床研究は実践から生まれてくるものであり、クライアントの利益につながるものでなければならない。したがって、臨床研究者は、研究者である前に信頼される臨床家であるべきと考えている。これは本研究室に所属する院生に対し、何よりも伝えなければならないことと思っている。なお、院生の研究・実習は大学病院・精神科病院等の協力を得て行っている。研究領域は、主に青年期・成人期の精神疾患について、表現を用いた心理療法や投影法アセスメントである。

学校における心理臨床

 学校における子どもたちの不適応を研究テーマとする。このテーマは①スクールカウンセリング、教育相談などの手法・技法に関する研究、②通常学級に通う発達障害(LD、ADHD、高機能自閉症)への心理教育的アプローチの研究からなる。学校臨床の課題は学校現場のなかに入ってみないとわからない側面がある。本学のスクールカウンセラー・インターン制度などを利用して、臨床の生の体験から学ぶことを学生諸君には求めている。

教育心理臨床、応用心理学

 もともとは認知心理学(視覚的注意、パターン認識)を専門としていたが、大学教員としてのキャリアを積む中で、臨床心理学や応用心理学にも関心が広がっていった。現在の主な専門分野は、臨床心理学では、大学の学生相談を含めた教育心理臨床、応用心理学では、マシンインタフェースを中心としたユーザビリティ評価である。1人の人間を支援するためには、社会制度、物理・経済的環境、コミュニティの特質、生物学的疾患カテゴリー、その人を取り巻く人間関係、その人自身の性格や価値観など、様々な要素に目配りしながら、その人自身に合わせた支援を展開してゆく必要がある。そういう意味では、支援者の側に、ある程度の視野の広さが要求される。研究者としての自分の特殊なキャリアを生かしながら、視野の広い心理臨床家の養成に少しでも貢献できれば、と考えている。

学校臨床心理学、臨床心理面接技法論

 学校臨床心理学では、学校における心理学的援助をいかに構造化し、実践していくかを、スクールカウンセリングや学生相談の心理臨床実践から検討する。個人への心理相談からグループアプローチ、さらに臨床心理学コミュニティ支援へと、広い視座で実践研究を行っている。心理相談面接に関しては、精神分析学と人間性心理学の立場から関係性やナラティブを鍵概念に検討することで、援助的な人間関係のあり方を探究している。またフォーカシング技法を通して、心と身体のつながりを検討することも関心のテーマである。

障害児心理学、応用行動分析学

 応用行動分析学とは、社会的に重要な行動について、確実に影響する環境変数(要因)を発見し、それを巧みに実践に応用して行動改善の技法を開発する学問である。この学問に基づいたアプローチによって、幼児期から成人期まで、様々な発達の段階で生じる行動上の問題を分析し、具体的な支援方法を開発する。発達障害等の背景を持つ子どもやその保護者が対象になることが多いが、研究の焦点は行動と環境の相互作用であり、障害そのものではない。

心身臨床心理学、臨床ストレス科学、認知行動療法

 心理療法の一つである、認知行動療法(CBT)を専門としている。CBTの対象は領域横断的であり多岐に渡るが、心理社会的ストレスと関連が深い身体の不調である心身症(特に過敏性腸症候群)や、拒食や過食を伴い、生命の危機にも関わる摂食障害、うつや不安を伴う疾患、不登校・いじめといった学校でみられる問題行動などを対象にした研究と臨床活動を行ってきた。またCBTは我々自身の日常生活や嗜癖、生活習慣の改善、ストレスのコントロールにも役立つ。知識の習得と実践を通じてその興味深さを体感していただきたい。

一般

成人期における発達と適応に関する研究:生涯発達心理学

 成人期における発達と適応に関する研究に取り組んでいる。現在は、中高年夫婦の自己調節方略やパーソナリティが自分自身の幸福感だけではなく、配偶者の幸福感に及ぼす影響を明らかにすることに関心を抱いている。SOC(補償を伴う選択的最適化)やコントロールなどの自己調節方略が中高年期の適応にいかに有効に作用するのかについての理論的解明を目指している。実証的な調査研究に基づく縦断データやペアデータの解析が主な研究手法であるが、生涯発達心理学における研究方法論の確立についても関心を抱いている。

知覚心理学、知覚理論史

 認識とは、見たり聴いたりして、外界について何かを知ることであり、知られるべき何ものかと知る我々との相互依存関係としてこそ成り立つと言える。どのようにすれば、認識を最も的確なかたちで心理学的に理解できるのか。このことが、私の研究テーマである。特に、聴知覚の群化、聴覚を介した事象の知覚、運動の視知覚などについて、実験を行っている。また、アメリカの知覚心理学者、J.J.ギブソンの理論を実験心理学史の文脈から再検討することを軸に、知覚研究のあり方について考察している。

神経心理学、認知リハビリテーション

 脳血管障害や交通事故などに由来する脳損傷の後遺症のなかで、近年、言語障害や記憶障害、あるいは注意障害といった高次脳機能障害に関心が高まっている。認知リハビリテーションは、神経心理学や認知心理学、及び学習心理学の領域で確立された理論を拠り所に、高次脳機能障害に対して治療的なアプローチを試みようとするもので、これに関する基礎的研究の一環として、特に、脳損傷者の前頭葉機能障害を中心に、その評価と訓練法について研究を行っている。また、最近は近赤外分光法(NIRS)や脳波を用いた人の高次脳機能に関する心理生理学的研究もあわせて実施している。

hiromi.ono/a/meisei-u.ac.jp※/a/は、@(アットマーク)に読み替えてください。

産業・組織心理学、働く人のキャリア発達に関する研究

 産業・組織心理学は、組織で働く人たちの行動や心理、そして個人と組織との関係を探究する学問である。社会に出て組織の一員となり協働が求められるなかで、働く人はさまざまな問題に直面することになる。産業・組織心理学では、個人がいきいきと働き、組織が活性化されるように、それらの問題を解決することを目指している。働く人のキャリア発達を研究テーマとしており、とくに若者のキャリア焦燥感について量的調査と質的調査の両面からアプローチしている。

社会心理学、応用認知心理学

 欺瞞的コミュニケーションを主な研究テーマにしている。これまでに、嘘をつく際の言語的・非言語的行動、および嘘の認知(どのような行動を嘘だと感じるか)に関する研究を行い、“嘘をつく側が用いる方略と嘘を見抜く側が用いる手がかりのマッチングによって虚偽検出の判別精度が決定される”というモデルを検討してきた。また、社会的場面における嘘の利益とコストに関する共同研究を行い、嘘の社会的機能についても検討している。その他、不快な思考の制御に関する研究等も行っている。

実験心理学・行動分析学

 我々はなぜそのように行動するのか。行動の予測と制御を目的とし、行動の実験的分析によりその制御変数を同定するのが実験的行動分析学である。研究テーマは、行動とその後続事象との関係を扱う強化スケジュールである。動物やヒトを対象とした実験により、種々の強化スケジュール下での行動の数量的法則を明らかにする。そしてコンピュータシミュレーションにより、その法則を説明可能な理論の構築を行う。最近では、そうした理論の神経基盤を探る行動薬理学的研究にも着手している。

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